高野歯科医院は CT・ 顕微鏡 ・セファロ 、3Dスキャナー・レーザー 設備有.小児のう蝕予防・咬合育成・予防矯正・小児矯正・成人矯正・う蝕・歯周病・顎関節症・インプラント・口臭などを7名の常勤歯科衛生士と2名の常勤歯科医師などで加療させて頂いております。
口腔機能低下
口腔機能低下とは、加齢だけでなく,疾患や障害など様々な要因によって,口腔の機能が複合的に低下している疾患。放置しておく と咀嚼機能不全,摂食嚥下障害となって全身的な健康を損なう。高齢者においては,う蝕や歯周病,義歯不適合な どの口腔の要因に加えて,加齢や全身疾患によっても口腔機能が低下しやすく,また,低栄養や廃用,薬剤の副作 用等によっても修飾されて複雑な病態を呈することが多い。そのため,個々の高齢者の生活環境や全身状態を見 据えて口腔機能を適切に管理する必要があります。
症 状
-
口腔内の微生物の増加,
-
口腔乾燥,
-
咬合力の低下,
-
舌や口唇の運動機能の低下,
-
舌の筋力低下,
-
咀嚼や嚥下 機能の低下
など複数の口腔機能が低下している。
お口の機能(口腔機能)は、大きく5つに分類されます。これらの機能が綿密に組み合わさって「食べる」「話す」という活動につながっているのです。
加齢などの影響で、どれかひとつの機能がうまく動かなくなると、徐々に他の機能にも影響していくため、注意する必要があります。
「5つの機能」と、それぞれが衰えた時に影響する口腔機能の低下
それぞれの機能を具体的にまとめると、以下のようになります。 ・咀嚼(そしゃく):食べた物を「噛む」機能。 ・嚥下(えんげ):食べ物や飲み物、唾液などを「飲み込む」機能。 ・構音(こうおん):舌や唇を使って「言葉を作る」機能。 ・唾液(だえき):食事や口腔内の清潔のために「唾液を分泌する」機能。 ・感覚(かんかく):食事や発声のために、口腔内の状態を感じて理解する機能。
たとえば「咀嚼」の機能が低下する原因としては、虫歯や歯周病、また入れ歯が合わないといったものがあります。 そうすると、単に「咀嚼機能低下」だけではなく、食べ物をうまく噛めないまま飲み込むことになり、嚥下機能にも影響を与えるのです。嚥下がうまくいかず、むせるのが心理的な負担になると、食欲が低下することもあるでしょう。しかしこの場合、虫歯や歯周病の治療、入れ歯の調整によって改善すれば、食欲は元に戻る可能性が高いというわけですね。
「口腔機能低下症」には、図に示された7つの診断ポイントがあります。
このうちの3つ以上に当てはまる場合、口腔機能低下症と診断されます。
①口腔不潔
①-1 口腔衛生状態不良の検査は,視診により Tongue Coating Index (TCI)を用いて,舌苔の付着程度を評価する。 舌表面を 9 分割し,それぞれのエリアに対して舌苔の付着程度を 3 段階(スコア 0,1 または 2)で評価し,合計スコ アを算出する(別添4)。TCI が 50%以上(合計スコアが 9 点以上)ならば口腔衛生状態不良とする。 ①-2 細菌カウンタ お口の中の細菌の数を調べます。、舌苔(ぜったい)の量を確認したりして診断します。
②口腔乾燥
口腔乾燥の検査は,口腔粘膜湿潤度または唾液量で評価する。 ②-1 口腔粘膜湿潤度 口腔水分計(ムーカス,ライフ)を使用して,舌尖から約 10 mm の舌背中央部における口腔粘膜湿潤度を計測す る。測定値 27.0 未満を口腔乾燥とする。 ②-2 唾液量 唾液の分泌不足や口呼吸などで、お口が乾燥しているかどうかを調べます。 唾液量計測は,サクソンテストによる。医療ガーゼを舌下部に置き,2 分後の重量と比較する。2 分間で 2 g 以下の 重量増加を口腔乾燥ありとする。
③咬合力(こうごうりょく)低下
噛む力を測定する「デンタルプレスケール」を噛んで、力を測定します。咬頭嵌合位における 3 秒間クレンチング時の歯列全 体の咬合力を計測し、咬合力が 200 N 未満を咬合力低下とする。なお、義歯装着者は,義歯を装着した状態で計測する。
④舌口唇運動機能低下
オーラルディアドコキネシス Oral diadochokinesis
「パ」「タ」「カ」と5秒間発音し、口全体の動きが低下していないかを調べます。それぞれ1秒間に6回以上正確に発音できていれば問題ありません。オーラルディアドコキネシスにより『健口くん』で評価する。 6 回未満を舌口唇運動機能低下とする。
⑤低舌圧
舌圧測定器(JMS 舌圧測定器,ジェイ・エム・エス)につなげた舌圧 プローブを,舌と口蓋との間で随意的に最大の力で数秒間押し潰してもらい,最大舌圧を計測する。舌圧が,30kPa 未満を低舌圧とする。
⑥咀嚼機能低下
咀嚼能力検査
2 g のグミゼリー(グルコラム,ジーシー)を 20 秒間自由咀嚼させた後,10 mL の水で含嗽させ,グミと水を濾過 用メッシュ内に吐き出させ,メッシュを通過した溶液中のグルコース溶出量を咀嚼能力検査システム(グルコセンサ ーGS-Ⅱ,ジーシー)にて溶出グルコース濃度を測定する。グルコース濃度が 100 mg/dL 未満を咀嚼機能低下とす る。
⑦嚥下機能低下
a.自記式質問票(聖隷式嚥下質問紙)で評価させて頂いております。15 項目のうち A の項目が 3 つ以上ある場合を嚥下機能 低下とされます
b.嚥下内視鏡検査(VE)
鼻腔から細い(直径3.4㎜)ファイバースコープ(ペンタックス 製)を喉に挿入し、咽頭部の形や動きの状態 を直視下で観察する検査です。実際に飲食物を飲み込んでいただき、咽頭を食物が通過していく状況を観察記録し、気管に入ったり喉に残りやすくないかなどを調 べます。 また日常的に喉に痰や唾液が溜まりやすいかなども、観察する ことができます。
「オーラルフレイル」
口腔機能が低下すると ・最初は食べ物や飲み物を飲み込む際にむせる ・口の端からわずかに食べこぼしがある ・噛めない食べ物が増える ・滑舌が悪くなる といった症状が出始めます。 この状態を「オーラルフレイル」「オーラルフレイル」と呼んでいます。「オーラル」とは「口腔の」、「フレイル」とは「衰える」の意味です。はじめは気が付きにくい、わずかな変化しかありません。しかし、これが進行すると「口腔機能低下症」につながっていきます。
噛めないものが増えると、徐々に食べるものに偏りが出てきます。また、食べこぼしやむせは、本人にとっても負担になりますので、食事に対する意欲が下がることも多いです。そうなると、食事から十分な栄養を摂ることが難しくなり、全身の栄養状態が低下していく恐れがあります。 栄養状態の低下によってオーラルフレイルは悪化しますし、全身の筋力が落ちますので、活動量も下がっていきます。滑舌が悪くなることも相まって、他の人とのコミュニケーションもおっくうになり、さらに活動量が低下するという悪循環を招いてしまうのです。 介護予防の意味でも、口腔機能の維持はとても大切な課題と言えるでしょう。オーラルフレイル時点では、適切なケアによって進行を止めることができると言われています。 定期的な歯科検診などで早期発見ができれば、治療や口腔ケアの指導によって、改善することができるのです。
ジェントルスティム
これまでの電気治療とは違い、干渉波刺激によって痛みの少ない治療を実現しました。シンプルで簡単な操作性が治療に取り入れやすくなっているのも特徴です。ジェントルスティムは新たなリハビリテーションの選択肢として貢献しています。
高齢者の口腔ケア
口腔機能低下症に至る入口は、虫歯や歯周病などの口腔トラブルや、その前段階としての口腔ケアへの関心低下などがきっかけになって進行します。では、これらを予防するために必要な高齢者の口腔ケアは、どのようなものがあるでしょうか。
口腔清掃
ひとつは、歯磨きやうがいなどの「口腔内をきれいにするケア」です。お口の中に汚れがあると、虫歯や歯周病の原因になるだけではなく、ウイルスなども体内に侵入しやすくなります。 感染症の予防のためにも、口腔内は清潔に保ちたいですね。口腔清掃には、以下のようなものがあります。 うがい 歯磨き 義歯(入れ歯)の清掃 粘膜や舌の清掃
口腔清掃の際は、その方に合った器具を使用することと、介助をする場合には意志の疎通をしっかりと行うことが大切です。 柔らかい粘膜で傷つきやすい口腔内は、非常にデリケートなもの。口腔ケアが苦痛になると、いくら大切なこととはいえ、嫌になってしまいます。高齢者に向いた歯ブラシとしては、やわらかめのブラシ、またブラシの部分は2cm程度の幅がおすすめです。 持ち手部分は太めの方が握りやすく、まっすぐのものが使いやすいと言われています。スポンジブラシや自助具を適宜利用して、負担にならない歯磨きを心がけましょう。また、歯磨き剤は研磨剤が含まれていないものが適していると言われています。 特に義歯(入れ歯)のケアには、通常の歯磨き剤ではなく、専用のものを使いましょう。 要介護の方への口腔ケアの場合、以下の3つのポイントに注意が必要です。
口腔機能回復
もうひとつは、口腔機能の維持や回復を目的にした「運動や訓練のケア」です。口腔清掃と合わせて行うことで、口腔機能の低下を予防しやすくなります。
-
口腔内をチェック まずは、口腔内をチェックしましょう。口内炎や欠けた歯、歯ぐきの腫れ、傷などがないかを確認します。口内炎や傷などの痛みは、言うまでもなくストレスのもとになります。ケアを拒否する原因にもなりますので、問題があるときには歯医者さんに相談するようにしましょう。
-
介助は最小限にする 介助者がすべてやってしまうのではなく、できるだけ本人の能力を活かせるように、軽い歯ブラシや自助具などを使うようにしましょう。仕上げは介助者がサポートしましょう。
-
誤嚥(むせ)に注意
寝たきりの場合は、仰向けだとむせ易くなります。顔を横に向けて下あごを引いた姿勢をとってもらいましょう。枕を使うと姿勢を維持することが出来ます。嚥下状態が悪い場合は水分の使用を最小限に止め、綿棒や柔らかいガーゼなどで水分をふき取りながらケアしましょう。麻痺がある場合は、麻痺をしている側を上にして、健常な側を下にして横になってもらいましょう。
1.顔面体操
しっかり目を閉じて、唇を横に引いて頬を上げます。その後、口と目を思い切り開けてください。
もう一度口をしっかり閉じてから、頬を膨らませて、口を左右に動かします。
口腔機能回復のケアには、以下のようなものがあります。
-
リラクゼーション
-
口腔周囲のマッサージ・運動訓練
-
咳払い・上手なむせの訓練
-
嚥下の訓練
-
発音・構音訓練
自宅でも簡単にできる体操には、以下のようなものがあります。
2.舌体操
3、唾液腺マッサージ
頬の下と、あごの下をマッサージします。
口を開けて行うものと閉じて行うものがあります。 口を開けて、舌を思いっきり出したり引っ込めたり左右に動かし、口の周りをなめるように回します。上下に舌を動かす運動もよいでしょう。 口を閉じて行う舌体操は、舌で上・下唇を内側から押したり、頬を押したりします。 舌の働きがよくなって唾液も出やすくなり、発音がよくなります。